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株式会社ニュー・オータニ - ソラキャリインタビュー

株式会社ニュー・オータニ  - ソラキャリインタビュー

はじめに

1964年開業し、今年9月1日に55周年を迎えたホテルニューオータニ。10月23日には、30年前と同様に、天皇陛下の即位に伴う「内閣総理大臣夫妻主催晩餐会」も開催されました。
このように同社では、大統領・首相などの国賓クラスから、ご家族やビジネスパーソンなど、本当に多様なお客様のご要望に応えるべく、世界に通用する国際基準第一級のおもてなしを提供する「ホテル」として、そして真の観光立国を目指す日本を支える「企業」として、今まで培った「伝統」を武器に、今後さらなる「進化」を目指しています。

今回はそんな同社とニューオータニウエディングの魅力にせまるべく、お話しを伺いました。ぜひ、ご覧になってみて下さい。

1. 企業文化、社風について

ソラキャリ:

会社はどのような雰囲気なのでしょうか?

高橋様:

明るくて親しみやすい雰囲気がホテルニューオータニの特徴だと思います。とても人間味あふれるスタッフが多く、活気のあるホテルだなと感じています。

ソラキャリ:

(いい意味で)意外でした。伝統あるニューオータニ様なので、なんというか、少し堅いイメージを持っていました。

高橋様:

55年間受け継がれてきた伝統も大切にしていますが、ホテルニューオータニは名前にもあるように、常に新しいことにチャレンジする『NEW』の精神を大切にしています。

ソラキャリ:

業務マニュアルとかはどう活用しているのでしょうか?

片桐様:

ホテルというとマニュアルのイメージがあるのかもしれませんが、実は基本的なもの以外は殆どありません。

ソラキャリ:

一般にサービス業では、マニュアルを活用している印象が強くありますが……

高橋様:

セクション毎に基本的な業務マニュアルはありますが、お客様に喜んでいただき、楽しくお帰りいただくことが一番のおもてなしだと、私たちスタッフの誰もが思っていますので、お客様その方々に合わせて対応しています。

ソラキャリ:

良く分かりました。組織やチームの上下関係の様子はいかがでしょうか?

高橋様:

組織上の上下関係はありますが、チーム内においては、お客様のためなら同じ立場になることができ、行き過ぎた堅苦しさはありません。とても風通しの良い環境だと感じています。

ソラキャリ:

そのような企業文化や組織の雰囲気から生まれた、御社らしいエピソードは何かありますか?

高橋様:

新郎のご実家が長野県の牧場、新婦のご実家が群馬県の野菜農家、というご両家の結婚式で、それぞれの食材を活かした特別な料理を提供したことがありました。ご両家のご両親も含め、皆さまで何種類ものメニューを試食し、たった一つのメニューが出来上がりました。当日も大盛況で、とても喜んでいただきました。

料理長が代わっても、レシピは残っていますし、当時料理を作ったスタッフも、サービススタッフも働いています。ご希望があれば、一年後だけではなくその後も記念日のたびに同じ料理を提供することができるのです。

ソラキャリ:

なるほど。

高橋様:

弊社が大切にしていることは、特別メニューを提供することではなく、結婚式後も長く繋がりを持ち続けられるよう、想いとサービスを忘れないことです。 私は「今日の接客が一生のお付き合いの始まり」そう思い、いつも新規のお客様に接しています。

ソラキャリ:

素晴しいエピソードをありがとうございます。逆にいえば、他の結婚式場様にはない、ホテルならではのそうした責任も重大ですよね。

松岡様:

結婚式を挙げられたお客様は、ホテルニューオータニの一生の顧客という思いから、結婚式後に『ニューオータニクラブW』というウエディング専用の会員組織にご入会いただいています。ご結婚一周年の記念にレストランにご招待したり、宿泊優待やイベント、レストラン情報などをお届けしたり、無料の会員専用ラウンジを設けるなど、結婚式を挙げた思い出の場所にまたお越しいただけるような取り組みを行っています。

ソラキャリ:

その他に企業文化や、御社らしさを表現するエピソード等はありますか?

松岡様:

1964年、前回の東京オリンピックの年に開業して以来、三度、東京サミット(先進国首脳会議)のメイン会場を務め、迎賓館のサービスも請け負うなど、国賓や大統領、首相など、世界のVIPを接遇して参りました。また、今年10月23日には、30年前と同様に、天皇陛下の即位に伴う総理主催の晩餐会も開催されました。

ソラキャリ:

それは責任重大ですね。

松岡様:

一方で、ファミリー向けのビュッフェレストランやガーデンプールなど、お子様連れのご家族にも楽しんでいただけるような施設も充実しています。ご家族連れから国賓まで幅広いサービスを提供していますので、柔軟な対応ができるのがホテルニューオータニの特徴で、こうした背景もあって、親しみやすいサービスとフレンドリーな社風を生んでいるのだと思います。

ソラキャリ:

幅広い対応力を身につけるためにどんな取り組みをされているのでしょうか?

松岡様:

ホテルニューオータニにとって、人材は"財(たから)"、すなわち「人財」ですから、社員の教育には全社を挙げて取り組んでいます。「能力開発課」という専門のセクションが中心となり幅広い社員教育を進めていて、毎週どこかでなにかしらの研修が行われています。

片桐様:

こちらのように、階層別研修、部門別研修、語学研修、コンテストなど、30種類以上あり、随時行われています。わりと充実しているのではないでしょうか。

ソラキャリ:

こんなにあるのですね!ブライダル業界では、お客様対応や人手の問題で、研修をやる時間を取れないという会社も少なくないのですが……。

松岡様:

人財の育成は管理職の最も重要な仕事ですから、例えば食品衛生セミナーやプロトコールセミナーなど、必要と思われる研修やセミナーには、半強制的に参加させています。また、ブライダルの業務は土日祝が中心ですから、平日に研修を行ったりしています。

片桐様:

各職場も協力的に送り出してくれるので、スタッフも受講しやすい環境かと思います。

ソラキャリ:

そこでも御社らしいセクションを超えた協力体制があるのですね。

2. ウエディングプランナーの一貫制について

ソラキャリ:

御社では、一組のお客様に対して一人のスタッフが最初から最後まで担当する、いわゆる一貫制を採用されていますね。

高橋様:

はい。基本的には新規接客からお申込み、結納打合せ、披露宴本番、二次会の打ち合わせなど、当日までのトータルコーディネートを承ります。

ソラキャリ:

改めて、この一貫制の良さややりがいはどのあたりにあるのでしょうか?

高橋様:

一貫制の良さは、何よりも「結婚式は一生のお付き合い」ということを強く実感できるところです。

ソラキャリ:

まさに、結婚式は一生のお付き合いの始まりですね。

高橋様:

はい。だからこそ、新規接客で自分が言ったことには全て責任を持たなければなりません。夢ばかりを語ってご成約いただいても、最終的に「こんなはずではなかった」と感じさせてしまっては、お客様の一生に一度の結婚式を台無しにしてしまいます。提案力だけではなく、プランナーとしての実力を磨かなければお客様に喜んでいただくことはできません。真の実力を求められることが一貫制なのだと思います。

ソラキャリ:

すごく実力を求められるのが一貫制、まさにそうですね。

高橋様:

新規接客から結婚式当日まで、長い時間をかけて結婚式のあらゆる準備のお手伝いをするので、結婚式が終わったあとにはお客様との関係性は最高で、お友達のような不思議な感覚に入ります。新規接客のときからずっと付き合っていけるのが一貫制の良さで、「この人と10年後も20年後もいい関係でいられるかもしれない」と思うと、新規接客の時の期待感も高まります。ご成約いただくためではなく、一生付き合うためにやると思うと、心底その人を知りたいと思うのです。お客様を好きにならないといけないし、好きになってもらえないといけない。それが、一貫制のプランナーの責任なのだと思います。

ソラキャリ:

ちなみに一貫制の場合、プランナーさんの業務負荷は少なくないかなとも思います。御社ではどんな工夫をされていますか?

高橋様:

担当件数の上限を定めていることもあります。「自分が大変」=「隣の人も大変」という共通認識があるため、常にお互いにサポートし合っています。

ソラキャリ:

他にも色々あるのでしょうが、仕組みとマインドの両方で、業務負荷を支えていらっしゃるのですね。また逆説的ですが、一貫制で得られるものが大きいからこそ、一度それを味わってしまうと、その達成感ややりがいをまた経験したく、頑張って困難を乗り越えることが出来るのかなと思いました。

3. ホテルにおけるウエディング事業の立ち位置について

ソラキャリ:

ホテルでは売上面などから、ウエディングより一般宴会が優先されたり、場合によってはウエディング部門のスタッフが肩身の狭い思いをするといった話しも聞きます。この点、御社はいかがですか?

松岡様:

確かに売上だけで考えると圧倒的に一般宴会の方が大きいです。しかしながら、ウエディングは、ホテルの生涯顧客を開拓しているという使命がありますし、企業が開催しにくい土日祝の宴会場を販売しているので、肩身の狭い思いをすることは全くありません。

高橋様:

結婚式後も、一生のお付き合いが続きますし、ご家族やご兄弟との繋がりなど、その先の利益効果も生み出します。そのことを各セクションが理解しているので、お客様のためにも、会社のためにも、ウエディング事業を大切にしています。

ソラキャリ:

各社とも理屈で分かっていても、例えば繁忙期に人手が足りなくなると自部門や目の前のことに集中せざるをえないことが多いでしょうから、お話しのあったように御社で各セクション間の共通認識と連携力が機能しているというのは、本当に素晴しいですね。

高橋様:

年に二回、宴会場をほぼ貸し切って、ご成約者様向けのウエディングイベントを開催しています。開催内容からお客様対応の細かい指示まで共有され、まさに全社一丸となって取り組んでいます。ウエディングが端に追いやられている感じは全くありません。本当にありがたいです。

ソラキャリ:

本当に素晴しいですよね。そうした共通認識や連携のために、特別な取り組みをされていますか?

松岡様:

トップマネージメントの情報発信が何よりです。宴会場の改装や広告費の追加投入、人員の増強など、トップマネージメントがウエディングに力を入れているのを、他のセクションが認識しているので、社内協力体制が出来上がっています。

4. 人事制度について

ソラキャリ:

特に、女性が長く安心して働ける仕組み、人事制度について聞かせて下さい。

片桐様:

例えば、育休からの復職者には小学3年生まで、短時間勤務を可能としています。
小学校就業までとする企業が多いなかで、長い方だと思います。それもあり、殆どの産休・育休取得者が復職しています。

ソラキャリ:

小学3年生まで可能だと、ママさんとしてはとてもありがたいですね。

片桐様:

また職場でも、周りでフォローしようとする雰囲気や、サポート体制がどの部署でも自然とできています。フロントでも、プランナーでも、レストランでも、殆どのスタッフが戻ってきています。長い目でみて、実際に働きやすいのが弊社の特徴です。

松岡様:

宴会予約課(ウエディング部門)でも、約30人のスタッフの内、時短勤務で働くママさんが5人います。土日勤務は難しいので、手配業務や予約対応、プランナーのサポート業務等、平日にできることを担当してもらっています。

ソラキャリ:

このような女性が安心して長く働ける環境作りの構築には、何かきっかけがあったのでしょうか?

松岡様:

何かのきっかけがあったというよりは、少しずつ時短勤務が出来る部署が増えて、会社全体に広がっていった感じがあります。10年くらい前までは、時短勤務は「限られた時間しか働けないので、みんなに迷惑をかける」というイメージでしたが、今では「限られた時間でも働ければ、みんなの負担を軽くできる」という考え方に変ってきたのだと思います。

ソラキャリ:

先程のように、会社としてトップのメッセージはありましたか?

片桐様:

国の後押しもあり、仕組み作りやバックアップ体制の構築を、人事が推進していきました。

ソラキャリ:

トップダウンではなくボトムアップで制度や仕組みが構築され、成果も出ているのですね。

松岡様:

以前は、育児休業後に復職する場合、例えばフロント出身者だと、客室や総務などのバック部門に配置されることが多かったですが、今ではほとんどのスタッフが産休前と同じ部署に復帰しています。慣れ親しんだ業務なので新たに研修をする必要もなければ、一緒に働いていた仲間なので、余計な気を使わなくてすむというメリットもあります。

5. 求める人物像と、入社後のやりがいについて

ソラキャリ:

改めて、御社の求める人物像を教えて下さい。

片桐様:

まとめると次の4つでしょうか。
・「企業」としての株式会社ニュー・オータニの成長に興味がある人。
・「ホテル」としてのホテルニューオータニを良くしていきたい人。
・ポジティブなマインドがある人。
・柔軟に対応できる人、お客様にあった対応のできる人。

ソラキャリ:

プランナーとしてはいかがですか?

高橋様:

なんと言っても、ニューオータニを好きになってくれる人です。

ソラキャリ:

会社が好きという話しでは、ブライダル業界ではドライに考えている人が少なくない印象も受けますが、御社からは何か愛社精神のようなものを感じます。押しつけとかではなく、純粋な、自然体で会社が好きという。

高橋様:

私は入社して13年(ブライダル部門12年)になります。志望動機は、ホテルマンへの憧れ、ウエディングが好き、ニューオータニが好き、という、この3つが重なったものでした。ただウエディングプランナーをやりたいだけだったら、きっと3年くらいで辞めていたかもしれません。

ソラキャリ:

長く続けてこられたのはなぜですか?

高橋様:

ホテルマンとウエディングプランナーの両方のプロを目指そうとするととても難しいからだと思います。これから入社を検討される方々には、「飽きませんよ!」とお伝えしたいです。
たとえウエディングプランナーだけを目指して入ってきたとしても、「こんなに面白いの!?」ときっと感じていただけるはずです。ここには、それだけの仕事の楽しさがあります。やりがいの方が、つらいことよりも遙かに大きい環境です。長く働きたいと思っている人には、自信を持って弊社をオススメできます。

ソラキャリ:

やりたいことができそうな環境でもありそうですね。

高橋様:

ウエディング部門では、プランナーだけではなく、ウエディングフェアや広告の打合せのほか、クリスマスディナーショー、ゴールデンウィーク中のお子様向けイベントなど、ウエディング以外のホテルイベントも担当し、携わることが出来ます。これが意外と気分転換になり、飽きさせない要因にもなっています。上手くできていますよね。

ソラキャリ:

確かに他社様では、一般宴会部門が担当する領域ですよね。

高橋様:

こうしたイベントでは、普段のウエディング業務からガラっと頭を切り替えられます。違う制服を着ることもある種の息抜きになり、すごく楽しいです。イベントを通して他のセクションのスタッフと知り合って関係性も築けるので、ウエディングの仕事で何かあったときに協力をお願いしやすくもなります。

ソラキャリ:

全体を通して、ホテルの良さを活かしつつ、ホテルの伝統に甘んじずお客様のために長い目でみて、組織の進化やスタッフの成長を目指されている会社だなという印象を強く持ちました。本日はありがとうございました。

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